01必要書類は余裕をもって揃えましょう
確定申告の手続きは少々複雑に感じられるかもしれませんが、事前の準備をしっかりと行うことでスムーズに進めることができます。まず、申告に必要な書類を揃えることから始めましょう。また、e-Taxを利用することで、時間や場所を問わずに申告が可能です。e-Taxの利用にはマイナンバーカードやICカードリーダライタが必要なので、事前に用意しておきましょう。これらの準備を早めに行い、申告期限に余裕をもって対応することをお勧めします。
02必要な書類とは??
①確定申告書AまたはB(税務署で取得またはネットで作成可能)
②住宅借入金等特別控除額の計算明細書
③本人確認書類の写し
④住宅資金取得に係る借入金の年末残高証明書
⑤建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本)
⑥売買契約書または工事請負契約書コピー
⑦勤務先から交付された源泉徴収票
⑧各種特例要件の証明書類
⑨交付を受けた補助金等の額を証する書類(補助金を受けた場合)
⑩合わせて申告したいその他の控除
03必要な書類の詳細と取得先
①確定申告書の書式について
用途に応じてA用とB用の二つの様式があります。A用は、主にサラリーマンの方や年金を受給されている方で、給与所得が2ヶ所以上ある場合や医療費控除による還付申告が必要な場合に使用されます。一方で、予定納税(税金の前払い)がある場合には、確定申告書のB用を選ぶ必要があります。
B用は、不動産所得(例えば家賃収入)や事業所得(商売をされている方)、譲渡所得(不動産や株式などを売却される方)をお持ちの方向けに設計された様式です。
【 取得先 】国税庁ホームページ又は最寄りの税務署
②住宅借入金等特別控除額の計算明細書
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、住宅ローン控除を受けるために必要な重要な書類の一つです。この明細書は、購入または改築した住宅の基本情報や住宅ローンの詳細を記載し、控除額を計算するための基礎となります。取得した住宅の情報としては、取得年月日、延床面積、取得価格などが含まれ、住宅ローンの残高や利用中の金融機関に関する情報も記載する必要があります。
【 取得先 】国税庁ホームページ又は最寄りの税務署】
③本人確認書類の写し
いずれかの方法で本人確認を行いますので、申告書等を提出する際には、本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となります。
・ マイナンバーカード
・ 通知カード(番号確認)と運転免許証(身元確認)
・ マイナンバー(個人番号)が記載された住民票の写し(番号確認)と運転免許証(身元確認)
【 取得先 】市町村役場
④住宅資金取得に係る借入金の年末残高証明書
住宅ローンを借り入れした金融機関から届く年末時点の住宅ローン残高を証明する書類です。金融機関によって発送時期は異なるものの、多くの金融機関は10月上旬から順次発送を開始しています。(住宅ローンの初年度は、翌年1月下旬頃、金融機関から発送されます。)受け取った際には、内容を確認し、大切に保管してください。証明書の記載内容に誤りがある場合は、すぐに金融機関に連絡して正しい情報を確認しましょう。ただし、年末残高等証明書は、住宅を取得した年(住宅ローンを組んだ年)には発行されず、翌年の確定申告時期までに発行・郵送されるケースもあります。年末残高等証明書がなかなか手もとに届かない場合は、早めに金融機関にお問い合わせをお願いします。
【 取得先 】住宅ローンを借り入れた金融機関
フラット35「融資額残高証明書」の見本より
⑤建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本)
登記事項証明書(登記簿謄本)は、建物や土地の登記事項が詳細に記載された書類です。最寄りの法務局へ直接出向いて発行を依頼する、もしくはインターネットから請求し、窓口受取・郵送を選ぶ事が出来ます。e-Taxで求められる不動産番号もこの書類に記載されており、各土地や建物に固有の13桁の数字で割り当てられています。
【 取得先 】最寄りの法務局又はオンライン申請
法務省「全部事項証明書」見本より
⑥売買契約書または工事請負契約書コピー
住宅を取得した年月日や取得金額などを確認するために、売買契約書のコピーを提出する必要があります。土地と建物を購入した方は、それぞれの売買契約書のコピーをご用意ください。いずれも、消印処理された印紙が貼付されている売買契約書のコピーのみ有効ですのでご注意ください。
【 取得先 】 住宅を購入された住宅会社又は不動産店、建築又はリフォームを依頼された工務店
⑧各種特例要件の証明書類
住宅ローン控除を受ける際、認定住宅は住宅性能に応じて特例の適用を受けられます。各種特例の適用を受けるには、住宅ごとに次の証明書類を用意する必要があります。
・認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合:認定通知書の写し
・ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の場合:省エネルギーの性能を証明するいずれかの書類
・建築士等が作成する住宅省エネルギー性能証明書の原本
・登録住宅性能評価機関が作成する建設住宅性能評価書の写し
一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合:耐震基準適合証明書等の写しまたは住宅性能評価書の写し
【 取得先 】 購入された住宅会社や建築士又は不動産会社
⑨交付を受けた補助金等の額を証する書類
各種補助金を受けられた交付決定通知書等の証明書類が必要になります。
書類を紛失された場合は、補助金交付を依頼した住宅会社や工務店にご確認お願いします。
⑩合わせて申告したいその他の控除
贈与税控除、生命保険料の控除、地震保険控除、医療費控除、ふるさと納税控除がある方は住宅ローン控除確定申告の際に合わせてお手続きをされてください。
※ふるさと納税申請の注意点
住宅ローン減税の初回申請は、確定申告が必須です。ふるさと納税にて、確定申告が不要なワンストップ特例制度は利用できません。
また、住宅ローン減税2年目以降の場合でも何かの理由で確定申告をおこなう場合、ワンストップ特例制度の申請は無効となるので注意が必要です。その場合は、ワンストップ特例申請書を提出済みであっても、改めて確定申告で手続きしなければなりません。
ふるさと納税でワンストップ特例を利用した場合には、住民税から控除が行われます。一方、住宅ローン控除では、所得税から優先的に控除が受けられます。両方を併用すれば、所得税、住民税のそれぞれについて無駄なく控除を受けられるケースが多くなりますが、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用して確定申告すると、所得税から両方の控除が適用されます。
控除の順序は、まず、ふるさと納税の寄附金控除が適用され、その後に住宅ローン控除が適用されます。住宅ローン控除については、所得税から引ききれない分は住民税から差し引きます。
住民税からの控除額には、前年度課税所得金額の5%(最大9万7500円)という上限があります。つまり、控除額によっては、住民税から差し引けない分が発生する可能性があり、住宅ローン控除初年度はふるさと納税と住宅ローン控除を併用するメリットが小さくなる可能性がありますのでご留意ください。
04まとめ
住宅ローン控除を受けるには初年度のみ確定申告が必要です。
確定申告の際には住宅や個人情報に関わる書類が必要となります。場合によっては紛失して再発行が必要になるものもありますので、早めに準備を行い、申告期限に余裕をもって対応することをお勧めします。
05必要書類の早見表
必要書類と取得先の早見表は次のとおりです。
物件の種類により必要な書類