最近、多くの注目を集めているキーワード「ZEH(ゼッチ)」をご存じでしょうか。省エネ性の高い注文住宅を検討している方で、ZEH(ゼッチ)に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。しかし、どのような住宅なのかを自分で調べてみたものの、専門用語や知らない単語が多く、「正直わかりづらい…」と感じている方もいることでしょう。将来的には、ZEH基準となる住宅が増えていくことが見込まれますので、今から自分のライフスタイルに取り入れてみてはいかがでしょうか。持続可能な未来に向けた一歩として、ZEHの考え方に注目してみてください。
01ZEH(ゼッチ)とは?
最近、多くの注目を集めているキーワード「ZEH(ゼッチ)」をご存じでしょうか。ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、今、持続可能な生活を目指す中、非常に重要なコンセプトとなっています。一言で言えば、「使うエネルギーを創るエネルギーで補う」住宅のことです。ZEHとは「ゼロ・エネルギー住宅」のことで、住宅の年間エネルギー消費量をゼロに近づけることを目指した建築です。具体的には、優れた断熱性能やエネルギー効率の高い設備を導入することで、省エネルギーを図りつつ、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用してエネルギーを創出します。このような取り組みにより、環境に優しい持続可能な住まいを実現します。
ZEHの主な条件
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住宅の高断熱化(UA値0.6以下を推奨)
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エネルギー消費量の削減(省エネ設備等の導入)
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再生可能エネルギー(主に太陽光発電)の活用
022.ZEHが増えている背景
ZEHの普及は日本政府の政策目標でもあり、日本のエネルギー問題や地球環境問題への対応として重要視されています。新築注文戸建住宅において、ZEHの普及が進んでいます。2021年度では注文戸建住宅のZEH普及率は26.7%だったのに対し、2022年度には33.5%に達しています。これは、ZEHの重要性が広く認識され、エネルギー効率の高い住宅へのニーズが高まっていることを示しています。
ZEHが増えている背景には以下のような要因があります
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省エネ意識の向上:エネルギー価格の高騰や環境問題への関心が高まり、省エネ住宅の需要が増加。
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政府の補助金・政策:ZEH推進のための補助金制度が充実し、導入のハードルが下がった。
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住宅の長寿命化:長く快適に住むために、高断熱・高効率な住宅のニーズが増加。
一方で建売戸建住宅では依然として普及が進んでおらず、2021年度ではわずか2.6%で、2022年度でも4.6%にとどまっています。国内で供給される新築戸建て住宅の約三分の一が建売住宅ながら、ZEH化が進まないのは価格重視で販売される傾向が高いのだという見方もあるようです。1番のネックは圧倒的に住宅を求めるお客様のご予算となっています。
政府は目標達成のために、補助金や住宅ローン減税、フラット35借入金利の引き下げなどZEH水準の省エネ住宅取得の支援を継続していく見通しです。
032. リノベーションでZEHは実現できる
「ZEHは新築でしかできないのでは?」と思われがちですが、適切な設計と設備導入によって、リノベーションでもZEH基準を満たすことが可能です。既存住宅の構造や断熱性能をしっかり見極め、適切な改修を行うことがポイントになります。以下のようにリノベーションでもZEH化の事例はございます。
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築20〜30年の住宅の断熱リノベ:既存の断熱性能を改善し、省エネ設備を導入。
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古い住宅を再生してZEH基準を達成:フルリノベーションによって性能を大幅に向上。中には断熱等級最高クラスまで性能向上させてリノベーション住宅もあります。
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マンションのZEH化プロジェクト:共同住宅でもZEH化が進んでおり、断熱改修や高効率設備の導入が進められています。
043. ZEHリノベーションのポイント
① 断熱性能の向上
ZEH化するためには、まず住宅の断熱性能を高めることが重要です。以下のような対策が効果的です。
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断熱材の追加(壁・床・天井)
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高性能な窓への交換(二重ガラス・トリプルガラス)
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気密性の向上(隙間をなくす施工)
※特に高性能な窓への交換は住宅の断熱性能強化に大きく影響を与えます。
② 高効率な設備の導入
エネルギー消費を抑えるため、最新の省エネ設備を導入しましょう。
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高効率エアコンやヒートポンプ給湯器
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LED照明への変更
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高性能な換気システム(熱交換換気)
※LED照明に人感センサー付き照明を配置することで、玄関や廊下で人の在・不在を検知、点灯時間を無駄なく制御し、快適性を維持しながら無駄な消費電力を抑制することが出来ます
③ 太陽光発電+蓄電池の活用
エネルギーを創るために、太陽光発電システムを設置し、必要に応じて蓄電池を活用すると、より効果的にZEH基準を達成できます。
054.リノベーションでZEHにするメリットとデメリット
【メリット】
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光熱費が大幅に削減:太陽光発電で電気代を抑え、断熱性能向上で冷暖房の効率がアップ。
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快適な住環境:冬は暖かく、夏は涼しい快適な空間が実現。
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補助金の活用が可能:国や自治体のZEH補助金を利用することで、コストを抑えてリノベーションが可能。
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資産価値の向上:内部解体の上、建物の安全点検を行って性能向上リノベーションするにより資産価値も向上、将来的なメンテナンス費用の削減や節約にもつながります。将来的な売却時にも高評価を得やすい。
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停電時の安心感:蓄電池やV2Hを活用すれば、災害時にも電力を確保できる。
※住宅の断熱化、省エネ設備導入される際は2025年度の住宅省エネ補助金をご検討ください
【デメリット】
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初期費用が高い:断熱改修や太陽光発電の導入にはまとまった資金が必要。
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既存住宅の構造制約:築年数が古い建物では、断熱改修や設備導入が難しい場合がある。
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補助金の要件が厳しい:ZEH補助金の適用には一定の条件を満たす必要がある。
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太陽光発電の設置スペース:屋根の形状や向きによっては、十分な発電量を確保できないことも。
065.なぜ性能向上リノベーションが重要なのか?
性能向上リノベーションの最大の目的は、住まいの快適性を向上させることです。夏は外部からの暑さを効果的に遮断し、住空間を涼やかに保ちます。一方、冬には室内の暖かさをしっかりと保ち、冷気の侵入を防ぎます。これにより、エアコンや暖房器具の効率が向上し、光熱費を大幅に削減できます。
住環境の快適さに加え経済的な利点が得られると同時に、省エネルギー化を推進するため、環境負荷も軽減されます。
今日、断熱技術は環境保護や持続可能な社会の実現において欠かせない要素。快適な住環境を提供するとともに、長期的にはエネルギー資源の節約にも貢献します。これからの時代、住宅選びに断熱性能が重要なポイントとなります。
出典:性能向上リノベの会
076. まとめ
リノベーションでも適切な断熱改修や省エネ設備の導入によって、ZEH住宅は実現可能です。環境にも家計にも優しい住まいを目指して、リノベーションでZEHを取り入れてみてはいかがでしょうか?
「密着!リノベの裏側」では、実際のZEHリノベの事例や具体的な施工方法もご紹介していきます!